『同棲のススメ』
 ついに咲美は拓弥の家に荷物を運び込んだ。本格的な同棲の始まりである。しかし、一緒に住むとなると、にお互いのルールが必要である。一つ24時間TV用の募金は盗まない。一つ、ネットのお気に入りを見ない、一つ、プライバシーは・・

 これも実話。役者連中から呆れられてますが、私の私生活の切り売りです。離婚して改めて同棲を始めたんです。年齢が20近く離れているからなのか、生活習慣がもう食い違う、食い違う。なにからなにまで言葉にして確認して、二人の間のルールにを作らなければならない。確かにジェネレーションギャップというのはあるでしょうが、にしても、人としてどうだよと、いつも大喧嘩していました。 きちんと、話しあおうとするんですが、話あっているはずが、気がつくと罵り合いになっている。私の部屋にはタタミ一畳の大きさの業務用電動ホワイトボードがあります。スイッチを入れるとホワイトボードに書いた物が感熱紙にプリントされて吐き出されてくる奴です。そこにお互いの言い分を書いたり図にしてみたりと、わかりあうため、理解し合うために出来る限りの事をしなければなりませんでした。まあ、それくらい強烈なわけわからんが魅力的な彼女のおかげでここに一本また『メトロ』を作ることができたというわけです。その時、つくづく思いましたね、男と女が一つ屋根の下で暮らすというのは、北朝鮮とアメリカが国交を結ぶようなものだと。もちろん、どちらが北朝鮮で、どちらがアメリカなのかというのは見る人によってちがうでしょうけど。

深みを増して、見ている人に伝わるのではないかと思って作った作品です。